音大受験の時、先生からよく言われていたのが「練習を1日休むと3日戻る」。
当時、私はこの言葉を信じて練習は1日も休まず、毎日、生活に必要な時間以外は練習をしていましたし、おそらく2、3時間は立ったまま楽器を下ろすことなく、弾き続けていました。でも、たとえ毎日たくさん練習をしても、一度寝て、また楽器に向き合うと、前の日の手の動きより劣っていると感じて、怖くて休むことができませんでした。
でもこれができたのは、今思えば「若くて健康だったから」だと断言できます。スポーツ選手を見ていても、年齢を重ねるごとに怪我なく活躍し続けることは難しそうです。「若い時の苦労は買ってでもせよ」っていうのは演奏技術の習得においても本当のことだと感じます。
私は特に、幼い頃から関節がゆるく、母と手を繋いでいる時に母が「行くよ」と手を引いただけて、肩が脱臼しまうことが何度かあったと聞いています。おそらくその影響もあって、練習のしすぎでしょっちゅうあちこち負傷してはいましたが、それでも若い時は少し休むと治ってくれたので、とにかく今思えば若かったから無茶ができたんだと思っています。
20代からはだんたんと体の痛みも治りが悪くなってきて、悪化、慢性化してきて、テニス肘、顎関節症、難聴で、トータル5~6年は楽器を持つことができない期間がありました。
今では、私は練習は、休み休みやっても長くて2時間くらいまでが限界なんじゃないかな、と思っています。演奏家として活動するにはかなり短い練習時間です。
そんなわけで、私の考えですが、10代までは体のことを気にせずに練習すればするほど上達していくから、練習は、上手になりたければ、自分に厳しくとにかくがんばれっ!って気持ちです。
ただ、それ以前にヴァイオリンが好きで、上達したいと思う気持ちが育っていなければ、何のためにたくさん練習するの??となるので、そこの気持ちが大前提で大切になるのかな、と思っています。
大人の方は、できれば、全身ストレッチを練習の前と後に行って、練習中も体に痛みが出たら、無理せずにすぐにアイシングをしてその日の練習はやめる。という無理しないで行うことの優先順位が高くなってくると思います。
というわけで、練習量についての私の個人的な考えでした。