私は、レッスン中や練習中にはイヤープロテクター(耳栓)をしています。

思い返せば、幼い頃からヴァイオリンを始めて音大を出るまでの間、そして演奏家として活動してからも、先生、友達から演奏者仲間まで、誰一人イヤープロテクターについて話題にする人がいなかったので、私は実際に耳を痛めてしまうまで、自分の耳の性能を下げないように気を付けたことはありませんでした。

耳は、多分若い頃は無理してもある程度回復するんじゃないかと思うのですが、耳を大切にしている今思えば、学校で何時間も狭い部屋でそのままヴァイオリンを弾き続けている環境や、オーケストラの練習すら恐ろしく感じますし、それどころか、ライブ会場で巨大なスピーカーに囲まれて爆音の中でそのまま演奏していたなんて、到底信じられません。。が、やってしまっていました。

本当、私の耳、ごめんなさい。。

今は完全に回復していますが、自分が弾くヴァイオリン音も、そのまま耳に入れるのはうるさすぎる感じがしますし、ある日突然耳が聞こえなくなるかもしれない、、という恐怖心があるので、可能な場面ではイヤープロテクターをつけるようにしています。

海外では演奏者の耳を守るためにオーケストラの練習などでプロテクターをつけるのは普通のこと、と誰かが何かで書いていた気がしますが、日本ではつけているヴァイオリニストに会ったことがありません。

レコーディングでも、ヘッドホンかイヤホンで別パートやクリックの音を聴きながら演奏するのですが、そもそもがヴァイオリン自体の音が大きく、自分の音にかき消されないようにヘッドホンやイヤホンから聴こえてくる他の音を聴くためにはある程度全体的にボリュームを上げることになり、結局耳には相当な負担がかかっている気がします。

そんなわけで、ヴァイオリンに限らず音楽業界には耳を痛めて苦労している人がとても多いです。でも、そういうものだから、という雰囲気があるというか、、、。割合的にはかなり多いんじゃないでしょうか?

でも、最近ではイヤープロテクターも安価で試せるものがたくさん出回っているので、長時間弾いたり聴いたりする時にはぜひ使ってほしいです。音楽用のものは、音質を変えずに音量だけを下げられる商品や子ども用などいろいろとありますので。

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